ショスタコーヴィチ・プロジェクト、いよいよ後編がスタート![こちら現場です]
 日露友好ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏プロジェクトも前半が終わり、これから後半戦です。明日11月18日は、日本のオーケストラでのトップバッター、広島交響楽団が登場します。
 昨日、11月16日はその広島交響楽団の定期演奏会が行われ、明日のショスタコーヴィチ・プロジェクトと全く同じプログラムが演奏されました。
 以下、マネジャーからのレポートです。

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 歴史的音楽の殿堂、日比谷公会堂で熱狂的な聴衆の前で数々の名演、感動をを残してくれたサンクトペテルブルク交響楽団が帰国。本プロジェクトで音楽監督・全公演の指揮を務め非常にハードな1ヶ月間を過ごす井上道義は、10+13番の公演を終えた翌日午後にはすでに広島交響楽団の指揮台に立ち、4日間の入念なリハーサルを行いました。
 そして迎えた昨日11月16日、広島交響楽団第274回定期演奏会。曲目は交響曲第9番、14番。全く対照的なカップリング、かつお世辞にもポピュラーとは決していえないこの2曲ですが、広島交響楽団の渾身の名演に井上道義自身によるトークでの導きも手伝って、大成功をおさめました。
 クライマックスはやはり14番、先週、「理想的な13番」を聴かせてくれたセルゲイ・アレクサーシキンにウクライナ生まれのアンナ・シャファジンスカヤのふたりによる「上質の芝居」を観ているかのような55分間でした
 本日17日、出演者は東京へ移動、日比谷公会堂に会場を移してリハーサルを行い明日の本番に備えます。素晴らしいふたりのソリスト、そして充実の広島交響楽団によるプロジェクト第5回公演、必聴です!

[11/18〜12/9 日比谷公会堂公演情報はこちら]当日券もございます。

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<広島交響楽団定期演奏会に寄せられた出演者3名からのメッセージ>

広島でのショスタコーヴィチ
 長いあいだ、私はショスタコーヴィチの14番を避けていた。暗い題名!受け取る人が大変誤解してしまう『死者の歌』と日本だけで必要もなく名づけられているからだけではなかった。演奏が難しいし、ロシア語だし、あれを充分に歌いきる歌手が殆どいないからなのだ。ほどほどの出来では意味を成さないのがショスタコーヴィチの音楽だ。だから避けていた。
 今回、東京で僕は無謀な、しかしこうあらねばならない形=ひとつのホール(今回はショスタコにぴったりの日比谷公会堂〜2000席)で全ての練習を行い、短期間に全15曲を演奏するというプロジェクトの最中だ。そこに広響が参加の手を上げてくれた。
 よし、広響の弦のメンバーと、何処まで出来るか賭けてみよう。録音もするし、売り出すつもりだ。広島で聞いていただくことになる皆様には字幕も出す日比谷に再度聴きに来て欲しい気持ちです。
 え?一回でも聞きたくないって?フフフ、僕も長いあいだそう思わされていたのだ。騙されていますよ、あなたも!!
 井上道義

親愛なる皆様へ
 まず最初に、この広島という偉大な地で歌えるということは、私にとってこの上なく名誉なことです。また、ショスタコーヴィチの交響曲第14番というすぐれた作品を、皆様の前で歌えますことも光栄に思います。
 ドミトリー・ショスタコーヴィチは、他に類のない独特な存在でした。
 彼は、この交響曲の中で、深い哲学的概念、難解な人間の感情の世界、痛烈で悲劇的な争いを表現しました。事実、彼自身、悪行や社会的な不正に対しての偉大なる闘争者でした。彼は、ユーモア・皮肉・グロテスクに満ちた歌詞を用い、大胆な旋律の展開、意外なコントラストのある無比で独特の作風を生み出しました。第二次世界大戦の爆撃の中、防空壕へも行かず座って作曲し続けたという事実は、彼がどのような人であったかをよく物語っています。
 私自身もあらゆる種類の暴力や犯罪を憎みます。いかなる人に対しても、傷つけることは最大の罪です。神は、私たちに自由に選択する権利を与えました。しかし、この権利をどう使うかは、まさに私たち次第なのです。
 皆様に神のご加護がありますように!
 アンナ・シャファジンスカヤ

 人間の悲しみは決してひとりだけのものではない。悲劇を目にしてきた人々がもつ同胞的なつながり。これが国や民族を超えて人々を結びつける。
 第二次世界大戦の悲劇はおびただしい数の人命を奪ったが故に、本質的に全人類、世界的な悲劇です。広島の原爆投下は、一瞬にして7万人の命を奪うというかつてない事実により世界に衝撃を与えました。1941年9月から1944年1月までのレニングラード封鎖では、120万人の市民が餓死。また、ファシストによる組織的かつ意図的なユダヤ人抹殺は残酷極まりないものでした。大戦初期の1941年には、ソ連領のキエフに近いバービ・ヤールにおいて数日間で10,774人のユダヤ人が銃撃されました。
 ドミトリー・ショスタコーヴィチの音楽は、ヒューマニズムに挑戦し、20世紀に人類愛の模範を与える道徳的な道筋のようなものです。彼はその非凡な才能により、戦争というおぞましい行為を音楽史に永久に刻み込みました。彼の作品は悲劇的な苦難を耐え抜いた世代の記録となり、告白となったのです。
 セルゲイ・アレクサーシキン

[11/18〜12/9 日比谷公会堂公演情報はこちら]
2007-11-17 17:37 この記事だけ表示