《特集》大植英次、ハノーファー北ドイツ放送フィルを語る その1 [カジモトくんの気まぐれ日記]
6月にハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニーとの来日公演を予定している大植英次は、同フィルの11年にわたる首席指揮者としての任期を終え、終身名誉指揮者となります。
大阪フィル東京公演の折に行ったインタビューで、このコンビとしての最終公演に向けてその熱い胸のうちパンチを語ってくれました。
NDR Radiophilharmonie mit Eiji Oue, Rathaus, Farbe (by Marcus Kruger←uにウムラルト有り)軽.jpg

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僕は以前ミネソタ管の音楽監督を務めていましたが、アメリカのオーケストラというのは、社会の影響か、スピードがとても速いのです。演奏会の数も多いし、進化のスピードも早い。凝縮されているんですね。

ハノーファーの街はドイツの伝統的なスピードを持っている。モーツァルトやベートーヴェンが曲を書いた時代のスピードが残っている。モーツァルトは、馬車でゆっくり旅をしながら作曲をしたじゃないですか。

トスカニーニの名言に、「伝統とは、明日創るものだ」という言葉があります。伝統を創るには、未来が見えていないといけません。でも、結論をいきなり定めるのではなく、“こうなりたい”という目標を持っていく。決して駆け足になってはいけないと思うんです。一歩ずつ、一歩ずつ歩いていく。先を見ようとして行くと、がむしゃらになってしまうんです。

オーケストラ作りは、「ここまで行こう」とあらかじめゴールを決めてしまうと、そこで終わってしまいます。どこまでいくかが分からないという気持ちで進んでいくことが大切だと思うのです。
そんな風にして僕とオーケストラとの関係は、一歩ずつ進化してきたと言えますね。

最初に就任したときは互いに、大植英次自身のヴィジョン、そしてオーケストラ自身のヴィジョンを持って音楽作りに臨みました。“俺はシェフだ”と構えるのではなく、一緒に作り上げていく。ゴールは決めない。もちろん、こういう方向にもっていきたいという思いは持っているけれど、変わっていく過程を一緒に楽しみたい。団員一人ひとりに“僕はこっち”“私はこっち”という、極端に言えば360度の違った解釈がありますから。

ドイツでは部屋のドアは大抵閉まっています。堅実な国民性のあらわれでしょうね。でも、僕はオケの監督室のドアは開けるようにしたんです。いつでもオープンに。一人ひとりが「これをやってみたい」というときに、「じゃあ、やってみよう」と言える姿勢を示せるように。“オーケストラ”という固有名詞が、ではなく、一人ひとりを尊敬して皆が一緒に創っていくことが大切だと思うんです。

彼らとの演奏において、僕の中で勉強したものはありましたが、もちろん自分の血の中にはドイツの伝統はありません。だから、ベートーヴェンやマーラーを、彼らに流れている血から盗もうとしました。そして、その上で人間・大植英次を出そうとしたんです。
自分が感動しないとオーケストラに伝わらず、オケが感動しないとお客さんにも伝わりません。そうした全体から、感動は生まれるのです。僕はハノーファーのオケと共に、それを絶対に崩さないようにしてきました。
 
     
(このインタビューはKajimoto Concert Vol.24に掲載しています)



この続きは、動画映画でお楽しみ頂けますexclamationこれから数回に分けてアップ予定です手(グー)
共演者、小菅優(ピアノ)についてはこれまでに演奏した印象からの話を。そして、今回のプログラムについて熱く語っています。大植がキャリアの節目節目で取り上げてきたベートーヴェン「第7交響曲」のこと、そして、バーンスタインの思い出なくしては語れないマーラーへの思い。師バーンスタインの奇跡の名演とも言える演奏会の後、大植はマーラー「交響曲第9番」を封印してきました。しかし、今回ついにその封印を解き放ちます。

近日公開予定。ご期待くださいわーい(嬉しい顔)



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6月27日(土)6時 サントリーホール
6月28日(日)3時 サントリーホール


2009-03-24 17:47 この記事だけ表示
 
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